5月、コンシャス・ダンスの1形態として広まっているDANCEmandalaの創始者Areeradh K.Trishiddaによる、ファシリテーター・トレーニングを、世界各国からの受講者と共に、タイで受講しました。
DANCEmandalaは、瞑想としてのダンスに重きを置いており、ヨガの哲学をベースにしています。
トレーニングの内容自体も、体に深くつながる、奥深いものでした。
<自意識を捨てた状態でのダンス>
人が踊っている時の身体の表現は、プロやアマチュア、完璧さを抜きに、本質的に美しいものです。
ですが、踊る事を通じて、自然に踊っている自分に対する自意識が、身についていくもののようです。
ダンスは、一般的に”美しく、かっこよく” ”見た目良く” として習うことが大半だから・・
この自意識は時に、瞑想としてのダンスをするにあたっての、障壁ともなります。
DANCEmandalaのファリシテーション・トレーニングの中では、
自意識を捨てた状態で、体が勝手に動く状態を作るという、ちょっと難しい練習がありました。
(Authentic Movementと呼ばれるプラクティスです。)
ふだん私たちは、
”こういう風に踊りたい、体を動かしたい”
と、頭から体に命令を出して踊る事に、慣れています。
なのでこのプラクティスで頭から指令を出さなくなると、体が全く動かなくなる、という参加者もいました
(ちなみに、彼女はベテランのプロダンサーです)。
私自身は、この練習の中で、体の外側のどこからか、エネルギーが流れてきて体が勝手に動いていく経験をしました。
肩甲骨の下あたりなど、ふだんは意識して動かさないような体のパーツも、動いたりしていました。
このプラクティスのポイントは、”Let dance move you, not you move your body”
(ダンスが体を動かすのであって、自意識ーエゴが動きを作るのではない)
という、トランスとも言える状態を作りやすくする事です。
この状態に入った時に、頭でコントロールしている時には現れない感情が露出するのを観察したり、
体の中のエネルギーの流れがとても良くなったり、不思議な動きが現れる事を体感しました。
<ダンスはエネルギーを発信するという事>
瞑想としてのダンスのファシリテーションは、頭で理解して伝えるファシリテーションとは全く違っています。
本人の存在自体を通じて、ファシリテートする内容が伝わる事が、最も肝心。
これを”Embodimentをする”と呼び、トレーニングではこの訓練をかなり行いました。
プロのダンサーが舞台で踊る時に、圧倒的に人を惹きつけたり感動を呼ぶのは、このEmbodiementを通じて、
エネルギーの共振状態が成り立っているからだ、と私は思っています。
あるプロダンサーの素晴らしいパフォーマンスを見ていたある日、私は
”ダンスは体の動きを通じて、エネルギーを観客や周囲に向けて、発信する行為なんだ”
という事に気づきました。
ダンサーの発するエネルギーの周波がビンビンと強い時は、それが周りの人々の波長に影響を受けて、
共振している状態が作り出されるという事です。
これと同様に、瞑想としてのダンスのファシリテーターは、本人が作り出す波長が強いかどうかが、鍵となります。
DANCEMandalaのセッション。日本で提供できる機会が早く来ればなぁ、と願っています。