別のブログで触れた、東インドの64の女性神殿にて。

1000年を経た女性神の石像は、今も生きているかのように、美しく立ち、しなやかに踊っていました。

それぞれの石像は、高さ50cm弱ほどの小さなサイズでありながら、強いパワーを放っています。

(神様の像の全身写真をアップロードするのは、はばかられるため、足元の姿だけ、シェアしました。)

全ての女性神は、トップレスで、全身を美しく飾り、その美しさを誇っています。
「神」が持つ一般的なイメージ ー ストイック、悟り、感情を超えた存在 ー と対比的に、
美しい身体表現と豊かな表情を通じて、神性を体現(Embodiement)する、女神像。

身体性を包容する信仰は、ストイックな信仰と相反するものとして迫害される歴史を持っており、
女神のほぼ全てが、顔、乳房、腕や足のどれかを、過去の侵入者に破壊されています。

 

<動物の女神たちの教え>

さて、女神石像の中でも、特に強いエネルギーにぐわーっと圧倒されたのが、神秘的で原始的な生命力を秘めた、
動物神たちでした。

Yogini templeの神様たちは、シャーマニズム(自然信仰)が色濃く残っている時代に、
それぞれの動物が持つ力がそのまま信仰されていることを感じさせます。

(左:蛇の女神。)

猪の女神、ライオンの女神、ネズミの女神。蛇の女神、と、
動物の顔と女神の体を持つ神たちが、Yogini神殿には、多数。
美しい女性の顔を持つ神々を圧倒する、野生的なエネルギーを全身から放っています。

これらの像は、単に動物の顔を持っているだけではなく、
体全体で、それぞれの動物が持つ力(メディスン)を、体現しています。

仁王のようにたくましい立ち姿のライオンの女神。
野性を全身に漲らせて踊る、猪の女神。
ネズミの女神は、背筋がすっと通り切り、凛としています。
(ネズミから学ぶことが何なのか、深く考えたことはありませんでしたが、ネズミは知能の高い動物です。)

こと、他の神殿の入り口などのキーとなる場所に守護神として美しく立っている、蛇の女神像は、
命のエネルギーが立ち上る様を見事に表しており、それを見る事で、私自身の体のエネルギーも、
通りが良くなるよう二、感じました。

神性を体現する像を見つめる事自体が、 体を通じた 深い瞑想となっていきます。

、、、生命力の溢れたありよう、野性の知性、直観力、力強さ、、、

山で猪に遭遇した時、大蛇を目にした時、人々は畏れとともに、どのような感化を受けたのか・・・

人と自然の間の境界線が、今のようにくっきりしていない時代の、自然から啓示を得ていた人のあり方に、
思いを馳せました。

そして、女の動物神は、女性が野生のエネルギーを体現していた時代の、

女性のあり方の象徴でもあるかもしれない、

とも、思いました。

 

インドは精神哲学が発達した地域の中では珍しく、動物神の地位がメインストリームの信仰で高い文化。
有名どころでは、象の頭の神様ガネーシャ、サルの頭の神様ハヌマーン(いずれも男神)。
これらの神様は、神話のストーリーの中でかなり人間化され、彫刻も人間的な印象を受けるものが多いです。

比べて、Yogini神殿の動物神は、野性のエネルギーと神秘性が、そのまま、残されていたのでした。